【OpenLearning, Japanレポート】2講座続けて高い修了率を記録!受講者は10代~30代が半数以上

OpenLearning, Japanで開講した第一弾「Global Social Archaeology(グローバル社会考古学)」(九州大学 溝口孝司教授)と第二弾「アメリカ映画と政治」(同志社大学 村田 晃嗣教授)の修了率はそれぞれ28%、29%でした。この値はJMOOCの講座の中でトップクラスであり、海外のMOOCの講座の平均修了率が一般的に数%から10%といわれるのに比べて高いものとなりました。また、受講者の年齢はそれぞれ10代~30代が54%、52%と半数以上を占めました。

■ Global Social Archaeology(グローバル社会考古学)

JMOOC初の英語講義でしたが、動画に英語と日本語字幕両方の表示や、テスト問題にも英語と日本語を併記することで、英語を得意とする方のみならず日本語ベースでの学習も可能にした結果、日本を含む53か国で受講されました。受講者の年齢は17歳~79歳で10代~30代の割合は54%(図1)、修了率は28%でした。また、講座に対する満足度(大変満足とやや満足の合計)は86%(図2)となりました。

▼アンケート結果より
16歳から79歳の人が受講され、満足度(大変満足とやや満足の合計)は86%に達しました。

図1.年齢構成

図2.本講座に対する満足度

▼九州大学 溝口孝司教授のコメント
「手探りではありましたが、高い修了率が得られましたこと、また、ディスカッション・ボードにて、国内・国外を問わず多くの良質の発言・問いかけと、高い評価をいただきましたこと、担当者としてとてもうれしく思いました。また、いわゆる講演会等とは異なり、専門的教育空間を意欲と目的意識をもった一般の方々へと開放することの意味と意義は、(教育者であるとともに)研究者としての私どもにとっても非常に大きいことを身を以て体験させていただきました。」


■ アメリカ映画と政治

大衆文化としての映画が近現代の社会や政治をどう描いてきたのか、あるいは、政治が映画をどう利用してきたのかという両者の相互作用を具体的な映画をとおして学ぶ講座で、映画を政治学的視点も取り入れて鑑賞する楽しみ方、政治と映画のかかわり方による見方の違いなどについても触れられました。この講座では通常コースのほかに反転授業のコースも用意されましたが、受講申込者全体の修了率は29%、反転授業を受けた受講者の修了率は48%に達しました。反転授業が受講者の学習意欲を促進し、修了率を高めたものと考えられます。受講者の年齢は16歳~83歳で10代~30代の割合は52%(図3)で、講座に対する満足度(大変満足とやや満足の合計)は94%(図4)となりました。また、学習テーマに関心があり理解もしている人の割合は78%(図5)、講座が与えた影響度合い(受講により学習テーマに対して関心が高まった、視点が変わったなどと回答した受講生の割合)は97%(図6)となりました。

▼アンケート結果より
17歳から83歳の人が受講し、満足度(大変満足とやや満足の合計)は94%でした。

図3.年齢構成

図4.本講座に対する満足度

学習テーマに関心があり、理解もしている人は78%でした。

図5.学習テーマに関する関心度と理解度

学習後、アメリカの映画、政治への関心が高まり、映画を見る視点が変わったことがわかります。

図6.講座が与えた影響(複数回答)

▼受講者のコメント
本講座を修了した受講者からは、以下のような声が寄せられました。

  • 戦争と映画の関係性について、俯瞰して捉え直すことができた。また政治的内容と政治的意図という軸で映画を観るという新しい視点を自分の中に取り入れることができた。(20代男性)
  • 全編講師の話によって展開されたが、明瞭で非常に分かりやすい語り口と興味深いエピソードの挿入によって終始引き込まれるものであった。(30代男性)
  • 『映画』」と『政治』という切り口が私にとって新鮮でした。さらに講座担当者や受講者と一同に会する対面授業が良かったです。(40代男性)
  • 私はiPadで受講しましたが、画質・音声ともにクリアでした。画面右側にテキストが表示されるのはとても役にたちました。先生の話し方もとてもわかりやすく理解できました。(50代男性)
  • 同時に取り組むことはむずかしかったが、これから講義で興味をもった映画を見る、関連書籍を読むことに取り組みたい。見たいと思った映画の見るべき順番、見るときのポイントや、関連本を探すときのキーポイントが、講義や週末テストで明確になった。(60代女性)

いずれの講座も修了するためには、各週の確認テストや最終テストで合格点(得点率60%以上)をとることが必要ですが、興味がそそられ続きが見たくなるような動画構成や適度な難易度のテスト問題など、学習者を主体にしたラーニングデザインに基づく講座設計と、最適なタイミング・内容での学習促進の相互作用により、高い修了率が実現できたとものと考えます。

引き続き、今後開講する講座においても、大学と密に連携を取りながら、更なる品質向上を目指して取り組む所存です。

2015/04/13

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