◆本講座の受講登録期限は、2016年12月12日(月)15:00 です。
◆受講登録方法については、こちらをご覧ください。
現在の我々の文明を創ってきた西欧科学の知の展開の過程を、その画期的な発見、発明が最初に発表された初版本を辿って行くことによって理解します。アリストテレスからアインシュタインに至る2000年の知を旅しましょう。
Week1 : 2016/11/7(金)~ 選択式テストあり
「旅の始まり-失われた古代の知の復活と普及」
古代ギリシアで発展した自然科学は、ゲルマン人のヨーロッパには伝わらず失われてしまいました。しかし、それはアラビアに伝わり残っていました。知に目覚めた九世紀ヨーロッパの人々は、これら古代の知をラテン語に翻訳して学んだのです。ラテン語に移されて復活した古代の知は、活版印刷術によって一挙にヨーロッパに普及しました。この知の旅の始まりを辿ってみましょう。
1. 失われた古代の知の探索とその復活:アラビア科学の大翻訳時代
2. 古代の知の普及:写本から活版印刷術へ- 最初の情報革命
3. 古代の科学の復活:アリストテレスの自然学
4. 古代の「形」と「数」の学の復活:ユークリッド幾何学から始まる古代数学の学び直し
Week2 : 2016/11/14(月)~ 選択式テストあり
「宇宙観の旅‐古代の天動説宇宙モデルから地動説モデルへのコペルニクス的転換、そして力学的宇宙モデルへの展開」
天動説モデルは、実際の天文観測データとは矛盾していました。この矛盾を解決するために天動説宇宙モデルが修正され続け、モデルが非常に複雑化してしまったのです。そして、とうとう天動説モデルは、地動説モデルへ転換され、理論的単純化が行われました。また、天文観測データはアリストテレス落下(引力)論も否定しました。では、宇宙に働いている力は何なのでしょうか……。ここで、地動説宇宙の力学的証明がなされ、力学的宇宙モデルが完成するのです。
Week3 : 2016/11/21(月)~ 選択式テストあり
「科学的理解の道具としての数学の発展を辿る旅」
計算を単純化する対数、微積分法、関係性を表す函数、方程式、座標などが考案されました。これらによってニュートン力学的宇宙が解析可能、操作可能になったのです。
1. 道具としての数学:対数、微積分学、確率論、方程式、函数、解析幾何学
「宇宙を構成する物質と非物質の本性の解明の旅」
物質の究極は非物質に辿り着きました。そして、最後には物質概念と非物質概念は統合されるのです。古代原子論に基づく錬金術から、近代の化学、核物理学に至る物質の学の展開を旅しましょう。
Week4 : 2016/11/28(月)~ 選択式テストあり
「物質概念と非物質概念の統合と包括的な相対論宇宙モデルの成立の旅」
電気と磁気は一つの存在であり、その様態は「場」‐「電磁場」です。そして、電磁場の振動が電磁波で、光も電磁波の一種です。光はまた物質波として粒子の性質も持っています。つまり、光は波動であると同時に粒子である光子(フォトン)という量子なのです。量子は物質と非物質の統合概念です。そして、宇宙における唯一の基準は、この「光子の速度は不変」であることであり、したがって、あらゆる時間・空間的尺度は「相対的」である……。ここに、相対性理論宇宙が成立するのです。
物理学系自然科学の概観的全体像を歴史的に把握する。
科学の発展は知のキャッチボール、コミュニケーションによって可能だったことを理解する。
金沢工業大学ライブラリーセンター館長・金沢工業大学建築アーカイヴス研究所長
工学院大学建築学科、富山大学文理学部文学科哲学課程卒。工学博士(東京大学)。専門は、建築論、西洋建築史、西洋科学技術稀観書学。2011 年に第5 回野上紘子記念アート・ドキュメンテーション推進賞受賞。おもな著書に、The Dawn of Science and Technology, KIT Press, 1982、『建築の誕生-- ギリシア・ローマ神殿建築の空間概念--』(中央公論美術出版、1995 年)、『世界を変えた書物』(金沢工業大学ライブラリーセンター、1999 年)、他多数。
◆受講を検討されている皆さんへ
科学の歴史というと、様々な理論の数学的展開や論理的展開のつながりを、歴史的に見て行く難解なものと思われがちですが、決してそうではありません。要はそれぞれの科学者が抱いたアイデア、発見や発明を具体的に把握し、それが次にどのようなアイデアを産み出したのか、その連鎖を見て行けばいいのです。本講義では、それぞれの科学者が自らのアイデアを初めて発表した初版本を見ながら、彼等のアイデアの展開を、数式や理論式などには触れず理解します。科学知の旅を楽しんでください。
特になし
Week1 確認テスト: 10問(20点)
Week2 確認テスト: 10問(20点)
Week3 確認テスト: 10問(20点)
Week4 確認テスト: 10問(20点)
最終テスト: 10問(20点)
合計100点
すべてのテストの解答期限: 2016/12/12(月)
修了証発行日: 2016/12/16(金)
・すべてのテストに解答(送信)すること
・すべてのテストの合計で60点以上を獲得すること