◆受講登録方法については、こちらをご覧ください。本講座の受講登録期限は、2016年2月16日(火)15:00 です。
※内容は予告なく変更される場合があります。
グローバル化のなかで、経済発展を続ける東南アジアのタイ王国。政治的な不安定要因は残るものの、世界経済のダイナミックな動きに対応しながら、自動車産業をはじめとする製造業は、著しい成長を遂げてきました。経済成長に伴い、新中間層が拡大し、日本食ブームや日本観光の拡大もみられます。他方、工業化の中にあっても、農業も着実に成長しており、「屋台骨」としての重要性を失っていません。本講義では、グローバル化の中で、様々な課題を抱えつつ、発展するタイ経済を、歴史的な視点を織り交ぜながら、振り返り、新たな日本とタイの経済関係のあり方を考えようと思います。
Week1 :グローバル化の中のタイ経済 2016年1月12日(火)~ 選択式テストあり
グローバル化の中で発展する現代タイ経済の変化を、各種経済データに依拠しながら、検討します。産業構造の変化、特に、ダイナミックな製造業の成長について、自動車産業の事例を中心に理解します。
Week2 :日本とタイの経済関係 2016年1月19日(火)~ 選択式テストあり
日本とタイの経済関係について、貿易、投資、企業に関する諸統計を用いて検証します。日本企業のタイ進出の歩みを概観し、特に、製造業の割合の大きさを確認します。また、タイ企業の日本進出の動向や訪日タイ人の増加についても理解を深め、日本とタイの経済関係の重要性とその変化を理解します。
Week3 :タイ経済の発展と企業 2016年1月26日(火)~ 選択式テストあり
タイ企業の構造的特徴と変化を、タイ経済の歴史的変化とあわせて理解します。19世紀後半から2010年代に至るタイ経済の変化を、モノカルチャー経済、経済ナショナリズム、開発体制、アジア通貨経済危機、経済グローバル化に着目して理解し、タイ企業の構造的変化を考えます。
Week4 :屋台骨としてのタイ農業 2016年2月2日(火)~ 選択式テストあり
タイの農林水産業は、工業化の進展した1990年代以降も着実に成長し、タイ経済の中で重要な地位を占めています。この週は、1970年代以降の主要農産物の生産輸出の変化や、農産物の地域的多様性を確認します。さらに、タイの主要輸出品である高級香り米のジャスミン・ライスの生産や輸出の特徴を理解します。
グローバル化の中で著しい成長を遂げているタイの製造業と着実な成長を続ける屋台骨としてのタイの農業に着目して、タイ経済のダイナミックな発展を深く理解します。
東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。1963年広島県生まれ。専門は、タイ社会経済研究、東南アジア経済研究。
早稲田大学法学部卒業。タイ国立タムマサート大学大学院経済学研究科派遣交換学生。タイ国立チュラーロンコーン大学大学院経済学研究科研究生。早稲田大学大学院経済学研究科修士課程修了。京都大学大学院人間環境学研究科博士後期課程研究認定退学。天理大学国際文化学部タイ学科助教授、東京外国語大学外国語学部タイ語専攻助教授を経て、2012年4月より現職。東京外国語大学タイ語研究室代表。
【主要な研究業績】
○宮田敏之「ASEAN共同体と東南アジア経済の発展」渡邊啓貴編『世界からみたアジア共同体』芦書房、2015年、71‐87頁。○宮田敏之「屋台骨としての農業:しぶとく発展し続けるタイ農業」綾部真雄編著『タイを知るための72章(第2版)』明石書店、2014年、98-105頁。○宮田敏之「米-世界食糧危機と米の国際価格形成」佐藤幸男編『国際政治モノ語り:グローバル政治経済学入門』法律文化社、2011年、127‐137頁。○宮田敏之「中国市場とタイ産香り米ジャスミン・ライス:なぜ、世界最大の米生産国中国がタイ米を輸入するのか?」経済産業省経済産業研究所(RIETI)Discussion Paper Series 11-J-005、2011年、1-27頁。○宮田敏之「タイ産高級米ジャスミン・ライスと東北タイ」『東洋文化』(東京大学東洋文化研究所)第88号、2008年、87-121頁。○Toshiyuki Miyata, ”Tan Kim Ching and Siam “Garden Rice”: the rice trade between Siam and Singapore in the late nineteenth century,” in Anthony J.H. Latham and Heita Kawakatsu(eds.), Intra-Asian Trade and the World Market, Routledge: London and New York, 2006, pp.114-132. ○宮田敏之「シャム国王のシンガポール・エージェント:陳金鐘(Tan Kim Ching)のライス・ビジネスをめぐって」『東南アジア 歴史と文化』(東南アジア史学会)第31号、2002年、27‐56頁など。
◆受講を検討されている皆さんへ
グローバル化の中で発展を続けるタイ王国の経済について、日本との関係を踏まえながら、幅広く学びましょう。
特になし
1. 毎週、選択式の確認テストを実施
2. 最終週は選択式の最終テストも併せて実施
Week1 確認テスト: 10問(10点)
Week2 確認テスト: 10問(10点)
Week3 確認テスト: 10問(10点)
Week4 確認テスト: 10問(10点)
最終テスト: 20問(60点)
合計100点
すべてのテストの解答期限: 2016年2月16日(火)
修了証発行日: 2016年2月22日(月)
・すべてのテストに解答(送信)すること
・すべてのテストの合計で60点以上を獲得すること
書籍名:『新興アジア経済論――キャッチアップを超えて』
著者 末廣昭
出版社:岩波書店
ISBN番号:978-4000287425
書籍名:『タイを知るための72章(第2版)』
著者 綾部真雄編
出版社:明石書店
ISBN番号:978-4750340371
書籍名:『東南アジアを知るための50章』
著者: 東京外国語大学東南アジア課程編
出版社:明石書店
ISBN番号:978-4750339795
論文名:「タイにおける民族共同体と民族問題」
雑誌名:『思想』 第863号、1996年
著者:村嶋英治
出版社:岩波書店
ページ:187-203頁
ISSN番号: 0386-2755